「子どもがほしい」あるいは「今はまだ」と思われる方などなど、ご家庭によっていろいろな状況があり、家族計画もさまざまかと思います。当クリニックでは、医師による家族計画指導を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
なお、当院では一般不妊指導のほか、一般不妊検査、BBT、タイミング指導や下記のような人工授精も行っております。
不妊症の一般検査
以下のような検査をそれぞれの時期に合わせて行います。
- 4～5日禁欲後に「精液検査」を行い、精子の数や運動性を調べます。
- 毎日「基礎体温測定」を行い、卵巣機能を調べます。
- 初診時に「血液検査」を行い、炎症反応や感染症について調べます。
- 月経の一番多い日に「月経血培養検査」を行い、性器結核を調べます。
- 卵巣の疎通性、ならびに子宮と卵管の形態を調べるために「子宮卵管造影検査」、および月経終了後から排卵期前の「子宮卵管検査」を行います。
- 子宮および卵管機能を調べるために、排卵後7日目前後に「子宮内膜組織検査」を行い、同時に黄体ホルモン測定のための検査をします。
- 排卵時期を決定するために、「頸管粘液検査」「超音波断層検査」「尿中ホルモン検査」を行います。
- 頸管内の精子の上昇度を調べるために、「フーナーテスト」を行います。
タイミング法
基礎体温表や超音波検査で排卵日を予測して、排卵日前後に夫婦生活を持つことによって妊娠を目指す治療法です。不妊治療と言うと、人工授精や体外受精などの高度な方法を思い浮かべがちですが、実はタイミング法が最も多く行われているのです。
タイミング法は、不妊検査で目立った原因が無い場合に行います。
洗浄濃縮人工授精（AIH）
洗浄濃縮人工授精（AIH）は、妻の排卵予測日（超音波検査やホルモン検査などから決定）に、夫の精液を洗浄・濃縮し、元気の良い精子を子宮内へ直接注入する方法です。子宮脛内精子注入法（IUI）とも言われ、運動精子の数や比率が少ない、適切な性交が出来ない、タイミング指導で妊娠出来ないなどの場合が適応となります。
なお、前記の「洗浄・濃縮」についてですが、この洗浄により精液が精子と精漿とに分離され、さらに成熟度の高い精子や運動性の良い精子が回収されます（この精子の選別にはコロイドなどの精子洗浄液を用いて密度の違いから成熟した精子を分離する方法と、精子を一定時間泳がせるなどして運動性に優れたものを回収する方法とがあります）。最終的に濃縮することで高濃度の精子が浮遊した少量の培養液が出来、これを細いカテーテルで子宮内に注入します。このように非常に手間のかかる方法なのです。
また、下記のような体外受精、顕微授精などの高度生殖医療が必要な場合は大学病院等の専門病院へ紹介いたします。
体外受精（IVF）
IVF（体外受精）とは、排卵近くまで発育した卵子を体外に取り出し（採卵）、精子と接触させ（媒精）、受精し分割した卵を子宮の中に移植する不妊治療のことです。
IVFの実施には、一般的に以下のような基準が設けられています。
- 両方の卵管が閉塞している。
- 夫の精子数・運動率が低い（総運動精子100万個以下）。
- 子宮内膜症を患っており、薬物療法、手術などでもあまり効果が無い。
- 原因不明不妊など、不妊期間が3年以上で積極的に治療（タイミング法やAIHなど）をしても妊娠しない（抗精子抗体を含む）、など。
顕微受精
体外受精でも妊娠に至らない場合、体外受精のさらなるステップアップとして、また、重度の精子減少症や乏精子症などの場合に勧められるのがこの顕微授精です。通常の体外受精を行っても受精しなかったり、受精しないと判断される夫婦が対象となります。顕微鏡下で、注入用の針（インジェクションピペット）に1匹の精子を尾部の方から吸引して、卵子の細胞質内に刺し、卵子の中に直接、精子を注入します。
