ブライダルチェックとは、結婚前か新婚の女性を対象に、結婚後の生活に問題が無いかを調べる健康診断で、婦人科検診も含まれます。
初期症状に気づきにくい婦人科系トラブルの早期発見と治療がメリットです。
主な検査内容
問診
月経の周期や状態など、また既往症やアレルギー、感染症などをお伺いします。ご自身で気になることがあれば、遠慮無くご質問ください。
一般血液検査・尿検査
貧血や肝機能異常、尿糖、尿たんぱくの異常が無いかなどを調べます。
内診
外陰部や腟内を視診します。
また子宮や卵巣の状態を触診で調べます。
血液型(ABO、Rh)検査(血液検査)
血液型は間違って記憶している場合もありますから、きちんと調べておきましょう。手術時の輸血事故や血液型不適合による新生児溶血性疾患(母体の血液中の抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児の赤血球が破壊されることによって起こる病態)などを引き起こす危険もありますので、手術や妊娠前に欠かせない検査と言えます。
風疹抗体検査(血液検査)
風疹ウイルスの免疫の有無を調べる検査です。
妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染してしまう可能性があります。
心臓奇形や聴力障害、白内障、発達障害などの先天性異常が起こることもあるため、赤ちゃんを望まれる方は、ぜひ一度検査を受けて確認しておきましょう。
※母体が風疹により胎児奇形が生じる割合は概ね4割と言われています。
特に昭和54年4月~昭和62年9月生まれの方は予防接種率が低いため、免疫の無い女性が多く、特に注意が必要です。
また子どもの頃にかかった記憶があっても、水ぼうそうの間違いだったというケースもあるので気をつけましょう。
なお、免疫が無い場合にはワクチンを接種しますが、生ワクチンのため、約2ヶ月間の避妊が必要となります。
HBs抗原検査(血液検査)
B型肝炎ウイルスの感染を調べる検査です。
日常生活に支障はありませんが、血液などから他人に感染しないよう、注意が必要です。
分娩時の母子感染を防ぐためにも、欠かせない検査と言えるでしょう。 ※B型肝炎ウイルスの保有者は、日本には現在120~150万人いると推測されています。
HCV抗体検査(血液検査)
C型肝炎ウイルスの感染の有無を調べる検査です。
日常生活に支障はありませんが、慢性肝炎を発症し、肝硬変から肝臓がんへと移行する可能性があります。
感染者は規則正しい生活を心がけるとともに、定期的な医学的管理を行うことが大切です。
クラミジア抗体検査(血液検査)
過去のクラミジア感染の既往を調べる検査です。
陽性であれば、知らないうちに卵管の狭窄や閉塞など、不妊の原因が存在している可能性があります。
クラミジア抗原検査(分泌物検査・尿検査)
最近急増している性感染症で、現在かかっているかどうか、他人に感染する可能性がある状態かどうかがわかります。
主に性交により感染しますが、知らないうちに感染していることもあります。
合併症を起こすと、子宮頸管炎や卵管炎を引き起こして、不妊症や異常妊娠の原因になることもあるので、注意が必要です。
カンジダ・一般細菌検査(分泌物検査)
腟分泌液で、腟内にカンジダ菌がいるかどうか、またどんな細菌がいるかを調べます。
AMH(抗ミュラー管ホルモン検査)
卵巣の予備能を調べる検査です。
AMHは発育過程にある卵胞から分泌されます。血中AMH値が原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映すると考えられます。つまり、原始卵胞(卵巣内で待機している卵胞)が少なくなってくると(卵巣予備能が低くなると)AMHの値は低くなります。そのため、AMHは卵巣予備能(卵巣の中に残っている卵子の数の目安)の評価指数として近年、注目されています。
超音波検査(子宮・卵巣)
子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気や卵巣の病気が無いか、また子宮や卵巣の発育状態や妊娠が可能かどうかなどを調べます。
子宮頸がん検診
詳しくは、「子宮頸がん検診」の項目をご参照ください。
乳がん検診
視触診、超音波などで検査します。詳しくは、「乳がん検診」の項目をご参照ください。